1955年以降は「欲しかった家電」が「買える家電」になり、それが当たり前化に向かった。’60年代に入ると洋風の感覚が日常に入り込み、後半には「日本誕生以来の好景気」とされるいざなぎ景気が到来。’64年の東京オリンピックを契機とするカラーテレビの普及とともに、マイカーを含む3C(カラーテレビ・クーラー・カー)が一般家庭に浸透し始めた。海外旅行も自由化され、’66年は「マイカー元年」として家族でドライブを楽しむ習慣が生まれた。ベンチャーズやビートルズの来日により日本でも華やかなグループサウンズが続々と誕生し、人々は経済成長、若者人口の増加、メディアの拡張という時代背景の中で、人生を彩るさまざまな楽しみと豊かさを享受していった。
─ 各年発売の主なヒット商品 ※古い年順(作成途中) ─
| 1924年 | ・ラジオ(芝浦製作所[現:東芝]) ・電気釜 |
| 1925年 | ・「ケロリン」(内外薬品) ・日本初のマヨネーズ「キューピーマヨネーズ」 (食品工業[現:キューピー]) ・「北海道バター」(雪印) |
| 1926年 | ・「ミルクチョコレート」(明治) ・「明治ココア」(明治) |
| 1930年 | ・日本初の電気洗濯機「ソーラー」(芝浦製作所[現:東芝]) ※洗濯機は後の三種の神器 ・日本初の電気冷蔵庫(1930年、芝浦製作所[現:東芝]) ※冷蔵庫は後の三種の神器 ・電気蓄音機 ・芳香浴剤「バスクリン」(津村順天堂[現:ツムラ]) ・「江戸むらさき」ヒット(桃屋) |
| 1931年 | ・日本初の電気掃除機「VC-A型」(芝浦製作所[現:東芝]) ・電気ミシン |
| 1932年 | ・黒電話「3号卓上電話機」(住友ベークライト) ・チューブ入りチョコレート「ソフトチョコレート」(森永) |
| 1933年 | ・「ヨーヨー」大流行 ・酵母を使った栄養菓子「ビスコ」(江崎グリコ) |
| 1934年 | ・「北海道チーズ」(雪印) |
| 1935年 | ・「ハートチョコレート」(不二家) |
| 1936年 | ・扇風機「MURZ」(松下電器産業[現:パナソニック]) |
| 1937年 | ・ラジオエレクトロラ「RE-48(ヨンパチ)」大ヒット (日本ビクター) |
| 1940年 | ・日本初の蛍光ランプ「FL20D-DL」(東芝ライテック) |
| 1946年 | ・「ラビットスクーター S-1型」爆発的ブーム(富士重工業) |
| 1947年 | ・家庭用ミシン第1号機トヨタミシン「HA-1」(アイシンコムセンター) ・1947~1949年 第1次ベビーブーム |
| 1949年 | ・戦後の標準黒電話機 「4号電話機」(NTT) |
| 1950年 | ・電気毛布 ・トースター ・ドライヤー ・カメラブームを牽引する「リコーフレックスⅢ」発売 (理研光学工業[現:リコー]) ・テープレコーダー(東京通信工業[現:SONY]) ・6型・婦人用手巻機械式腕時計(セイコー) ・「きいちのぬり絵」ベストセラー ・国産プラスチック玩具 ・「リズムボール」(バンダイ) ・キャラクター「ペコちゃん」(不二家) ・明治ハネーヨーグルト(明治) ・「赤缶カレー粉」(S&B食品) |
| 1951年 | ・大型フリクションの「B-29」玩具(タカラ[現:タカラトミー]) ・「ロゼット洗顔パスタ」(ロゼット) ・「花王粉せんたく」(花王) ・「バヤリース」(朝日麦酒[現:アサヒ]) ・「味の素」30g食卓瓶(味の素) ・明治コナミルク(明治) ・「ミルキー」(不二家) |
| 1952年 | ・音の静かな三菱扇風機「 D-10B」(三菱電機) ・「ホンダ カブF型」(ホンダ) ・「風船ガム」流行 ・電動玩具第一号「セダン型自動車」「上飛び飛行機」 |
| 1953年 |
・「日野・ルノー4CV」(日野自動車) |
| 1954年 |
・「マリリン・モンロー」来日の年 |
| 1955年 | ・初代「クラウン」誕生(トヨタ) ・「ヤマハ 125 YA-1」(ヤマハ発動機) ・トランジスタラジオ「TR-55」(東京通信工業[現:SONY]) ・日本初の自動式電気炊飯器「ER-4」大ヒット(東芝) ・環形蛍光ランプ「サークライン」 FCL30(東芝ライテック) ・電気こたつ(東芝) ・ナショナル電気カミソリ「MSIO」(松下電工) ・ラジオ・コントロール・バス ・「花王フェザーシャンプー」(花王) ・1粒で2度おいしい「アーモンドグリコ」(江崎グリコ) |
| 1956年 | ・バネ式遊具「ホッピング」大流行 ・「でん六豆」(でん六) |
| 1957年 | ・初代「スカイライン(プリンス・スカイライン)」(プリンス自動車) ・「ダイハツ ミゼット DKA」(ダイハツ工業) ・白黒テレビ「 T-14R1」普及価格で爆発的ヒット (松下電器産業[現:パナソニック]) ・三段階高さ調節式扇風機「キリン」(三洋電機) ・66版カメラ「フジペット」大ヒット (富士写真フイルム[現:富士フイルム]) ・やぐらこたつ(東芝) ・日本初の飲料用自動販売機(ホシザキ) ・「ジュース自動販売機」爆発的ヒット(ホシザキ電機) ・女性週刊誌「週刊女性」創刊(河出書房→主婦と生活社) ・赤銅鈴之助「赤ザヤの刀」流行 ・髪型をアレンジできる「カール」人形人気 ・「ホットケーキミックス」(森永) ・お口のエチケット「グリーンガム」(ロッテ) |
| 1958年 |
・大衆車「スバル360」人気(富士重工業[現:SUBARU]) |
| 1959年 | ・皇太子ご成婚の年 ・初代「ブルーバード(ダットサン・ブルーバード)」(日産) ・日本初のトランジスタ式テレビ(東芝) ・日本初のカラーテレビ(東芝) ・日本初の電子レンジ(東芝) ・ハーフ版カメラ「オリンパスペン」ヒット (オリンパス光学工業[現:オリンパス]) ・トランジスタ電子計算機「HITAC 301」(日立) ・人型ロボット「ロビイ」「スカイピンポン」 ・プラモデル玩具「ノーチラス号」 ・国産ミニチュアカー「世界の自動車シリーズ」(バンダイ) ・ぬいぐるみ「モデルペット」人気 ・米国で「バービー」人形発売、爆発的ヒット(マテル社) |
| 家電はまだ贅沢品の延長線上にありつつも、分割払いの普及などによって一般家庭への浸透が進行。都市生活を中心に、食と娯楽の簡便化・大量化も始まった。1964年の東京オリンピックは、消費とメディア意識を一段階引き上げる決定的な契機となった。1960年代前半は「家電=家族の中心」「お菓子=テレビと結びついた消費」という構図がはっきり立ち上がった時期だった。 | |
| 1960年 | ・1960年代~アマチュア無線が「キングオブホビー」と呼ばれる黄金期へ ・初代「セドリック」(日産) ・14型白黒テレビ「14-SB」“Xライン”(富士通ゼネラル)爆発的ヒット →東芝・日立・松下も白黒テレビ発売、白黒テレビ普及率が50%に到達 ・日本初の二槽式脱水乾燥洗濯機 「SW-400」(三洋電機) →電気洗濯機が都市部を中心に普及へ向かう ・衣料用洗剤「ザブ」(花王) ・「ポラロイド120」「ポラロイド160」カメラ日本発売(ポラロイド/ヤシカ) ・西部劇の流行によるガン・ブーム ・「ごっこ遊び」シリーズ ・ビニール人形「ダッコちゃん」大流行 (タカラビニール[現:タカラトミー]) ・「ワンタッチカレー」(江崎グリコ) ・森永などの板チョコが国民的菓子として安定消費される段階へ ・「のりたま」(丸美屋) ・「ムーンライトクッキー」(森永) ・「クールミントガム」(ロッテ) |
| 1961年 |
・電気冷蔵庫の普及→買いだめ・まとめ買いの生活様式広がる |
| 1962年 |
・初代「ミニカ」(三菱) |
| 1963年 | ・テープレコーダ「マイソニック」(松下) ・電気蚊取り器「ベープ」(フマキラー) ・「レーシングカー」 ・「バービー人形」 ・「バーモントカレー」(ハウス) ・「日清焼そば」(日清食品) ・「コーンフレーク」「コーンフロスト」(ケロッグ) ・「ナボナ」(亀屋万年堂) |
| 1964年 | ・東京オリンピック開催の年 ・「東洋の魔女」金メダル獲得で空前のバレーボールブーム →「アタックNo.1」や「サインはV」制作される ・男性向け週刊誌「平凡パンチ」創刊 (平凡出版[現:マガジンハウス]) ・アイビールック流行 ・「ハンドルリモコン自動車」大ヒット(バンダイ) ・「タミーちゃん」 ・「お話ミコちゃん」(トミー) ・「スーパーボール」(Wham-O社) ・入浴剤「バスロマン」(アース製薬) ・ロッテ初のチョコレート「ガーナミルクチョコレート」(ロッテ) ・「ハイクラウンチョコレート」(森永) ・「かっぱえびせん」(カルビー) ・「ネクター」(不二家) ・「クノールスープ」(味の素) |
| 高度経済成長が最盛期に入り、耐久消費財は「持っているかどうか」から「より新しい・より便利なものへ更新するか」という段階へ移行した。家電は家庭内にほぼ行き渡り始め、関心は性能・デザイン・快適性へと向かう。一方で、個人消費・若者消費が急拡大し、音楽・ファッション・菓子といった分野で“流行を楽しむ”感覚が強まった。この5年間は、「家電=更新」「菓子=流行」「消費=楽しみ」がはっきり分かれて見え始める時期となる。 | |
| 1965年 | ・「ザ・ベンチャーズ」来日の年 ・初代「シルビア」(日産) ・初代「プレジデント」(日産) ・「レーシングカーセット」大ブーム(バンダイ) ・「オロナミンC ドリンク」大ヒット(大塚製薬) ・洗濯用洗剤「ブルーダイヤ」(ライオン) ・「エメロン」シャンプー(ライオン) ・「チョコレートボール」(森永) |
| 1966年 | ・「ザ・ビートルズ」来日の年 ・初代「サニー」(日産) ・初代「カローラ」(トヨタ) ・日本初のターンテーブル式家庭用電子レンジ「R-600」(シャープ) ・「クレイジー・フォーム」流行(バンダイ) ・「オバケのQ太郎」大流行 ・第1次怪獣ブーム起きる ・食器・野菜用洗剤「ママレモン」(ライオン) ・チューブ入りケチャップ(カゴメ) ・「サッポロ一番(しょうゆ味)」(サンヨー食品) ・「明星チャルメラ」(明星食品) ・「ゴールデンカレー」(S&B食品) ・世界初の棒状チョコレート「ポッキー」(江崎グリコ) |
| 1967年 | ・GS(グループ・サウンズ)ブーム到来 ・ツィッギー来日、ミニスカート旋風巻き起こる ・「ホンダ・N360」(ホンダ) ・ドライタイプルームエアコン(日立) ・ルームエアコン「霧ヶ峰」(三菱電機) ・「ツイスターゲーム」流行(任天堂) ・「ウルトラハンド」大ヒット(任天堂) ・象がふんでもこわれない「アーム筆入れ」大流行(サンスター文具) ・着せ替え人形・初代「リカちゃん」(タカラ[現:タカラトミー]) ・「チョコボール」「チョコフレーク」「エールチョコレート」(森永) |
| 1968年 | ・初代「スプリンター(カローラスプリンター)」(トヨタ) ・初代「ローレル」(日産) ・「コロナマーク2」(トヨタ) ・トリニトロン方式カラーテレビ第1号「KV-1310」(SONY) ・「わんぱくフリッパー」大ヒット(バンダイ) ・輸入ミニカー普及 ・「人生ゲーム」大ヒット(タカラトミー) ・「マジソン・バッグ」発売、以降大ブームへ(エース) ・世界初の市販用レトルト食品「ボンカレー」(大塚食品) ・「ジャワカレー」(ハウス) ・インスタントラーメン「出前一丁」(日清食品) ・「サッポロ一番 みそラーメン」(サンヨー食品) ・「雪印ネオ マーガリンソフト」(現「ネオソフト」)(雪印) ・日本初のスナック菓子「カール」(明治) ・「ノースキャロライナ」(不二家) ・三億円事件発生の年 |
| 1969年 | ・初代「フェアレディZ」(日産) ・壁掛けクーラー「樹氷」(松下電器産業[現:パナソニック]) ・「ママレンジ」(アサヒ玩具) ・「アポロ」チョコレート(明治) ・「ハイソフト」ミルクキャラメル(森永) |