1970年代は高度経済成長の終焉とともに、量的拡大から質的充足へと価値観が移行した時代だった。’70年の大阪万博は未来志向と技術立国の象徴として人々を熱狂させた一方、’73年のオイルショックは大量消費社会にブレーキをかけ、節約や合理性が生活に入り込んだ。カラーテレビは完全に定着し、クーラーや冷蔵庫は生活必需品として当たり前化する。若者文化ではフォークソングやニューミュージックが台頭し、個人の内面や等身大の感情を歌う表現が支持を集めた。豊かさの意味を問い直しながら、「便利さ」と「自分らしさ」を同時に求め始めた時代でもあった。
─ 各年発売の主なヒット商品 ※古い年順(作成途中) ─
1970年代
| 1970年の大阪万博を頂点に、日本の消費社会は「未来」「便利」「豊かさ」を前向きに享受する段階へ到達した。家電や日用品は生活必需を超え、暮らしを演出する存在へと変化する。一方で'73年のオイルショックはその流れに急ブレーキをかけ、生活者の意識を「拡大」から「見直し」に転換させた。5年間の中に、夢と不安の両方が凝縮された時期である。 | |
| 1970年 |
・大阪万博開催の年 |
| 1971年 | ・「ボウリングゲーム」大ヒット ・仮面ライダー1号変身ベルト「タイフーン」ヒット(現:プレックス) ・「アメリカン・クラッカー」流行 ・ファッション誌「non-no」創刊(集英社) ・キャンデー「チェルシー」(明治) ・チョコレート「小枝」(森永) ・「ソフトエクレア」(不二家) ・サンキスト炭酸ドリンク缶(森永) ・カップヌードル(日清食品) ・「ククレカレー」(ハウス) ・ニコちゃんマークの文具・グッズがブーム ・マクドナルド1号店「銀座・三越百貨店1階」オープン ・1971~1974年 第2次ベビーブーム |
| 1972年 | ・沖縄返還の年 ・グアム残留日本兵、横井庄一さん帰還 ・ジャイアントパンダ「カンカン・ランラン」一大ブームに ・4代目「スカイライン(C110型)」のCMで"ケンメリ"ブーム到来 ・ホンダ「シビック」(ホンダ) ・初代「スプリンタートレノ」(トヨタ) ・「カローラレビン」(トヨタ) ・業界初の壁掛冷・暖房エアコン(松下電器産業[現:パナソニック]) ・ハイビスカス柄マインポット(NM型)歴史的ヒット(タイガー) ・「ソックタッチ」(白元) ・プッチンプリン(江崎グリコ) |
| 1973年 | ・初代「スターレット(パプリカスターレット)」(トヨタ) ・初代「ランサー」(三菱) ・野菜室付き3ドア冷凍冷蔵庫 「ニューアラスカ(SJ-3300X)」(シャープ) ・ビニール製「スポーツカイト(凧)」ヒット ・'74年にかけて「オセロ」ゲーム大ヒット(ツクダ) ・「シュガーカット」(浅田飴) ・「明治ブルガリアヨーグルト」(明治) ・「クノールカップスープ」(味の素) ・「ごはんですよ!」(桃屋) ・「ノストラダムスの大予言」ヒット(祥伝社) ・第1次オイルショックによるトイレットペーパー買占め騒動、商業施設の時短営業、ナイター開始時間の繰り上げ、深夜放送休止など |
| 1974年 | ・ユリ・ゲラー来日の年 → 超能力ブーム起きる ・フィリピンルパング島残留日本兵、小野田寛郎さん帰還 ・「超合金マジンガーZ」大ヒット(バンダイ) ・ジグゾーパズル流行 |
| オイルショック後の混乱が落ち着き、日本の消費社会は「節約一辺倒」から「必要な楽しみを取り戻す」方向へと舵を切った時期。生活防衛意識を土台にしながらも、家庭内で完結する娯楽や快適性への需要が再び高まった。高価だが憧れの存在だった家電や設備が、少しずつ現実的な目標として意識され始める。 | |
| 1975年 | ・初代「ピッカリコニカ」(小西六写真工業[現:コニカミノルタ]) ・多機能デジタル腕時計「0634」大ヒット(セイコー) ・「黒ひげ危機一発」ヒット(タカラトミー) ・「サッポロ一番 カップスター」(サンヨー食品) ・チョコスナック「きのこの山」(明治) ・箱入り「ハイチュウ」(森永) ・'70年代中頃から「ニュートラ(ニュートラディショナル)」流行 |
| 1976年 |
・ロッキード事件発生の年 |
| 1977年 | ・初代「チェイサー」(トヨタ) ・パーソナルテレビ「サイテーション(KV-1375)」爆発的ヒット (SONY) ・ヤマハパッソル「S50」爆発的ヒット(ヤマハ発動機) ・布団乾燥機「AD-600」(三菱電機) ・VHS方式ビデオテープレコーダ「マックロード」(パナソニック) ・世界初オートフォーカスカメラ「コニカC35AF(ジャスピンコニカ)」 (小西六写真工業[現:コニカミノルタ]) ・蛍光灯「パルック」(パナソニック) ・「スーパーカー」玩具、文具ブーム ・カプセル玩具の自動販売機登場 ・「エンゼルパイ」2個紙箱入り(森永) ・「ビックリマンチョコ」(ロッテ) ・「日清のどん兵衛 きつねそば(赤)」(日清食品) |
| 1978年 | ・初代「プレリュード」デートカーとして若者中心に大ヒット (ホンダ) ・「マツダサバンナRX-7」(マツダ) ・「ターセル」「コルサ」(トヨタ) ・初代「スープラ」(トヨタ) ・2画面のテレビ・イン・テレビ「CT-1804X」(シャープ) ・ルームエアコン「RAS-2201WSL」ヒット(日立) ・「バービー人形」日本で発売開始 ・「モグラたたきゲーム」大ヒット(バンダイ) ・「スライム」大流行(ツクダオリジナル[現:メガハウス]) ・「ボンカレーゴールド」(大塚食品) ・「とんがりコーン」(ハウス) |
| 1979年 | ・第2次オイルショック ・初代「アルト」大ヒット(スズキ) ・フロントローディングVTR 「マイビデオV3(VC-6080)」大ヒット (シャープ) ・パーソナルコンピュータ「PC-8001」大ヒット(NEC) ・日本語ワープロ「書院」<WD-3000>(シャープ) ・ミニステレオカセットレコーダ「MR-U4」 ヒット(三洋電機) ・センサーオーブンレンジ(シャープ) ・「キヤノンAF35M(キヤノンオートボーイ)」大ヒット(キャノン) ・ポータブルカセットテーププレーヤー初代「ウォークマン」(SONY) ※「ウォークマン」1号機 ・セイコードレスクォーツ「Cal.1320」(セイコー) ・「インベーダーゲーム」大流行 ・「ウルトラマン人形」大ヒット ・「キャンディ・キャンディかんごふさんバッグ」大ヒット(バンダイ) ・「日清のどん兵衛 天ぷらうどん」(日清食品) ・「パイの実」(ロッテ) ・「うまい棒」(リスカ) ・'70年代末~'80年代初期「ハマトラ(横浜トラディショナル)」流行 |